先生からのコメント・・・
『直径270oのリム皿です。原画は18世紀フランスの画家フラゴナール(1732-1806)の婦人像です。フラゴナールは特に、人物の性格表現や一瞬の表情を軽快なタッチで描くことを得意とした画家です。
今回の作品では、モデルに溢れる瑞々しい若さをいかに表現できるかという点が再現上のポイントとなりました。
結果的にはオリジナルを的確に再現したコピー作品でありながら、さらに上絵付け作品としての完成度とマチェールのエマイユ(釉面)効果を堪能できる価値を獲得しています。油彩と異なり肌の輝度は白素地を透過させて出すのですが、その点も完璧に成功しています。また、おろそかになりがちな髪の生え際と頭部への移行も極めて自然です。
今回使用した器が釉面の柔らかいボーンチャイナであったことも表現効果を高めている点として挙げられます。金彩などの加飾については、器のモールド自体がシンプルな物であったのにそれを感じさせない重厚感が出ていますね。』
|