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10月の優秀作品は・・・長田 英里子さん です!
絵付け歴:5.3年 制作時間:約18時間 Congratulations !

先生からのコメント・・・
1900年代初頭のイギリスの画家、Archibald Thorburn(1860〜1935)の透明水彩・ガッシュ併用の絵画をもとに制作しました。図案は「コオリガモ」の夏毛のつがいを描いたものです。この鳥は冬季に北海道にも飛来するそうです。

油彩やガッシュで描かれた絵画は、強調させたい明部をホワイトを多用したインパスト(厚盛り)によって浮出するため、絵付け技法のように明部を塗り残す技法では注意が必要です。原画は明暗のコントラストが強い印象の作品でしたが、あえてハイトーン中心に描ききったところに本作の持ち味があります。透明水彩のみで描いたような明るさと、絵付け技法ならではの緻密なタッチが融和したエマイユ効果によって高度なアレンジに成功しています。高い明度の階調と瑞々しい中間色の色味を丹念に紡いだ真摯な制作の様子が浮かびあがってきます。

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絵付けコース 優秀作品
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5月の優秀作品は・・・河南 昌子さん です!
絵付け歴:5年 制作時間:約14時間 Congratulations !

先生からのコメント・・・
19世紀後半のミントンとティファニーの提携から生まれた作品より図案をコピーしました。オリジナルにアレンジを加えず忠実な再現につとめました。明色系、特に白や黄色の花は洋絵具の材質的特性を考えると難度の高いものといえます。今回の図案はリース状の構成に空という無限空間がマッチングされた印象深いものです。

明部は基本的に素地の白さを透過させましたが、ハイライトは触覚的な質感を高めるため白色浮出しました。この白色浮出の加減が難しく最小限にとどめないと濁った発色となるのですが、大変良い加減で加えることが出来ました。ワイプアウトと白色浮出の使い分けは重要なポイントです。また工程においては、無駄な絵具をのせないように細心の注意をはらったので軽快さを損なわず仕上げられました。中・上級者に求められる、「筆でさわりすぎずに描き込む」という壁を乗り越えた好作例となりました。

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絵付けコース 優秀作品
2007年 2月の優秀作品 ページトップへ

2月の優秀作品は・・・高岡 祐子さん です!
絵付け歴:5年 制作時間:約14時間 Congratulations !

先生からのコメント・・・
『1950年代のロイヤルウースター(英)の風景図案皿より模写しました。オーソドックスなリム皿全面に図案を配している点が画面に広がりを感じさせる作風です。

風景画は植物に比べると制作工程が非常に重要になります。特に19世紀までの絵画様式で描かれた図案は、隣り合う色と色の関係よりも遠近による着彩の手順、アンダーペインティングの基調色の選択が仕上がりに大きく影響します。それに加えてつい描画単位が小さくなりがちな絵付けでは、全体感の把握にも注意しなければなりません。今作では伸びやかな描画と繊細な描画が自然にとけあい、抑制された色調の画面は視線を主題に自然に導くことに成功しました。』

絵付けコース 優秀作品