• 2022/1/5 上垣 健吾 さん 「桜」  油彩桜の柔らかい質感を描き出された力作です。1作品ごとにレベルアップされています。桜の様な薄い花は立体的にとらえるのがとても難しく、花びらの色の変化や背景と花の輪郭の見え方をとても繊細に観察していかないと成り立たないものです。作品は背景のボケ感を上手く表現して難関をクリアしておられます。(講評:朝森)
  • 2022/1/5 松浦 正哲 さん 「Piano With Her」 デッサンピアノと描かれている人物の関係性を作者の粘り強い観察眼と描き込みの深さで表現された作品です。描かれた人物はピアノの前で正面を向いて座っておられるだけの構図です。ただピアノの複雑な構造の丹念な描き込みや、人物の表情を表す強い線の重なりや描き込みの繰り返しが人物とピアノの深いつながりを端的に表現されています。(講評:朝森)
  • 2022/1/5 岸 まき子 さん 「無題」 油彩日常生活の記録のような絵ですね。作者はデッサン力もあり、色彩の構成も考えこまれた作品になっています。動物をモチーフとして描かれていますが、動物を画面にとらえる距離感に作者だけにある魅力を感じます。もしかしたらモチーフは身の回りの美しく感じるものなら他の物でも良かったのかも知れません。日々の生活で作者が見たものを美の結晶に昇華した一枚の作品です。(講評:朝森)
  • 2022/1/5 小島 久幸 さん 「グラスと銅器とホオズキ」 油彩 とても時間をかけて完成させた力作です。少し見下ろす難しい角度からとらえており、パースによる物の見え方の変化も的確にとらえていて、テーブルの手前から奥行きの見え方も自然な感じに描かれておられます。質感表現ですが、とてもこだわりを感じさせる描写で部分的に絵具の厚塗や薄塗りがあり質感に迫ろうとする作者の熱意が感じられる作品です。(講評:朝森)
  • 2022/1/5 民部 郁夫 さん 「girl」 水彩とても優しい筆さばきで、柔らかな光感じさせる作品です。少し逆光の中の繊細な色の変化をとらえています。午後ゆるやかな時間までも色彩で表現されていますね。また、女性の視線はネックにかかる指先にそそがれているのがわかります。画面の柔らかさだけでなく、その様な細やかな表現が作者の技量の高さを感じさせます。(講評:朝森)
  • 2022/1/5 濱川 直子 さん 「美人画(ユニクロパンフより)」 鉛筆デッサン 人間の頭の骨格を理解されて描かれて作品です。骨格を意識されているので面の変化も的確に描かれていてパースも正確です。描写にも強弱があり斜めから見た顔のパーツの位置関係もよく描き分けています髪の毛も細部描写に偏らず全体感を見る事に成功しています。安定した描写力といえます。(講評:朝森)
  • 2022/1/5 下島 佳子 さん 「ダ・ヴィンチ『モナリザ』模写」 鉛筆精密な鉛筆デッサンで挑戦されました。隅々まで淡いトーンで描き始められ、徐々に濃色部や暗部を深めてまいりました。描き進めてゆく計画もバランス良く描写も安定しております。画集や画像からなかなか読み取れない部分も探りながら少しずつ描き込まれていました。鉛筆のきめ細かなトーンの美しいお作品になられました。(講評:港井)
  • 2022/1/5 鮎合 祥二郎 さん 「父と娘」 デッサンマラドーナとお嬢様とのひと時を描かれました。とても微笑ましい光景をしっかりとした描写力で描かれています。愛娘の健気な柔らかな表情と対照的に鍛えられた体型の人体の描き分けなどとても表現が豊かです。内面的な内側も感じられるお作品になられています。(講評:港井)
  • 2022/1/5 豊田 千奈美 さん 「スイセンが咲く庭」 デッサンターシャ、テューダの庭を写真集より描かれました。自然豊かな環境に囲まれた空間をとても豊かな描写で描かれています。一つ一つをここまで描くのはとても容易ではなく細やかな表現の積み重ねがこの度のように美しく柔らかで優しい雰囲気になっていかれたのだと思います。(講評:港井)
  • 2022/1/5 竜野 哲夫 さん 「マルメロ、キャベツ、メロン、キュウリの静物模写」 色鉛筆ファン•サンチェス•コターンが描いた油彩画を色鉛筆にて描かれました。油彩とは異なり少々トーンなどを明るめにとらえていますが、一つ一つの表現にとてもこだわりを持って描かれています。色鉛筆の扱いもとても慎重に使われており、筆圧や描き込みの変化に富んだ描写となっています。微妙なグレートーンも僅かな変化をとても慎重に描かれました。とても静謐なお作品になられていると思います。(講評:港井)
  • 2022/1/5 百々 美津子 さん 「ルーベンスの少女」 油彩ルーベンスの愛娘を描いた作品の模写です。お作品からは少女のあどけない表情や肌の初々しさが表現されており、作者がどのようにこの作品を描きたいと思われたのか、とてもよく伝わってまいります。作者の作品制作に対するお気持ちのように純粋で無垢な輝きをとらえた模写になってらっしゃいます。 (講評:港井)
  • 2022/1/5 赤尾 泰子 さん 「ナミブ砂海」 パステル以前訪れて印象的でいらしたという風景を描かれました。神秘的な光景です。赤みを帯びた砂の表面に当たる光と影がとても広大な景色を想像させます。まるでパステルが砂そのもののように感じられます。手前に立っている人物との対比も更に自然の雄大さを感じられる要素となっています。(講評:港井)
  • 2022/1/5 斉藤 明子 さん 「パリ近郊の民家」 色鉛筆天井の高い広々とした室内空間をとても一つ一つ丁寧に描かれました。室内の灯りと自然光を取り込んだ柔らかな光に包まれた空間が微妙な色調を重ねており、とても良く表現されています。様々な質感の家具が沢山ありますが、それぞれに色の特徴や濃淡の特徴など描き分けられおり、ゆったりとした心地よいお住まいの感じが表現されています。(講評:港井)
  • 2022/1/5 大竹 康子 さん 「Daisies Dancing」 デッサン壁面に寄りかかるお花を描かれました。光の差し込む様子がとてもドラマチックに表現されています。白いお花を浮き出させるために背景の影の表現をとても工夫して塗られた様子が感じられます。お花は消し具をとても器用に使われて白さを表現しています。タイトルの通りデイジーがまるで踊っているように感じられます。(講評:港井)
  • 2022/1/5 石井 里実 さん 「蛍のいるセランゴール川」 油彩マレーシア旅行での一場面、夕暮れの風景画という難しいテーマに挑戦されました。薄暗く限られた色調の中でも青系やオレンジ系の色彩がとてもきれいに発色しています。タイトルにもあります蛍の姿をあえて描き入れず、蛍のいる気配だけを感じさせる構成になっていて想像力を掻き立てる仕上がりになっています。制作途中、ボートの形を捉えるのに苦労されましたが終盤、上手く整理され見映えも良くなりました。全体的にとてもよいムードで仕上がっています。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 平山 啓子 さん 「ワイン醸造所/フランス・ボルドー」 油彩ご旅行先で実際に撮影されたお作品になっています。とても安定感のあるトリミング(構図)で、黄色い建物も左奥にある消失点へと上手く収束されていて、自然な奥行きが表現されています。壁面の黄色味も混色が難しかったのですがネイプルスイエローなど珍しい絵具を使って再現することができました。曇りの日の微妙な陰影の見え方でしたが、じっくりと観察され上手く形をおこすことができています。次回作もとても楽しみです。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 河相 光彦 さん 「スコットランドの古城」 水彩ご自身の撮られた画像より、とても険しい断崖にそびえ立つ古城を描かれました。手前から望むような構図が古城の存在感をより感じさせる構成になっています。背景も抜けるような空の広がりをおおらかな筆の流れで描いており、古城や断崖の筆致との対比が臨場感のある表現になっています。見る側の想像力を掻き立てる作品になっています。(講評:港井)
  • 2022/1/5 向井 泰弘 さん 「聖マルコの夕暮れ」 油彩イタリアを訪れた折に写真に収めた風景より描かれました。陽が落ち始める夕刻の色合いを、柔らかなゆったりとした筆遣いでとても良く表現しています。旅先で感じられた空気までこちら側に伝わってくるようです。水際をかすめて飛ぶ鳥の表情もとても趣があり、素敵な旅の雰囲気が感じられるお作品です。(講評:港井)
  • 2022/1/5 久保田 実 さん 「ゴーギャン『神の日』模写」 水彩ゴーギャンの油彩作品を模写されました。鮮やかな色彩と抽象的とも言える空間表現をとても豊かに表現されています。色調の重なり具合もとても考えて描かれていますが、作品の模写だけでなくゴーギャンの描いた死生観にも迫ろうとして描かれているお作品となられました。(講評:港井)
  • 2022/1/5 石井 松樹 さん 「雨上がりの虹」 油彩穂高岳山荘付近より雨上がりの虹が撮影されたものを動画でご覧になられたそうです。神秘的な光景に作者も描きたい衝動になられたのが理解できます。虹に更なる光があたる神々しい光景を、筆遣いやペインティングナイフを用いて表現されており、とても臨場感あふれるお作品となっています。見る側にもその光景の美しさや感動が伝わるものとなっています。(講評:港井)
  • 2022/1/5 斎藤 広志 さん 「北国の春 津軽鉄道」 水彩津軽鉄道を舞台に春の到来を描かれました。大きな桜の木が豊かな花を咲かせている様子がとても美しく表現されています。柔らかに表現するためには周りの風景描写に配慮することがとても重要です。部分においても一言では伝えられない様々な要素が盛り込まれており、詩情あふれる心に響くお作品になられていると思います。(講評:港井)
  • 2022/1/5 南 良平 さん 「奥入瀬渓流テラス」 アクリル奥入瀬の紅葉を目の前にご夫婦で朝食を楽しまれている様子を描かれました。その時の空気感が手に取るように感じられます。輝くような紅葉とテラスのほの明るい感じの表現もとても良い感じです。対比的に暗部を逃さずとらえてらっしゃるところが、より効果的に感じられます。何気なく手前の床の表現もとても良いです。(講評:港井)
  • 2022/1/5 熊本 雄作 さん 「ワイングラスと洋梨」 色鉛筆色鉛筆は画面内のみで重ね合わせでオリジナルの色がつくられてまいります。無色透明のワイングラスにはどれだけの色でこちらの表現をされたでしょうか。有色の洋梨も同じくです。筆圧のコントロールもとても良く調整されて描かれています。静かな表現の中に情熱を感じるお作品です。(講評:港井)
  • 2022/1/5 近造 廸夫 さん 「晩秋富士」 水彩遙か望むような視点の風景画です。お写真も作者の撮られたものから描かれており、より描き手の意図が盛り込まれていらっしゃるお作品になっています。水彩画の軽やかなタッチが活かされていて、そこに微妙な色の深みが自然に感じられるところが何気ないところにとても感性が感じられるお作品になっています。(講評:港井)
  • 2022/1/5 河埜 彩華 さん 「ラベンダー畑」 パステル写真集より選んで描かれました。パステルを用いた柔らかな描写が、ラベンダー畑全体をとても叙情的にしています。メインである犬の毛の質感も豊かに描かれ、顔の表情など細やかな表現までとても丁寧に描かれています。パステルという素材にとても寄り添った優しい表現のお作品になられています。(講評:港井)
  • 2022/1/5 伊藤 昌子 さん 「なかよし」 水彩旅先で出会った山羊を描かれました。とても雰囲気のある風景画にもなっています。山羊は骨格の特徴もよく観察され、毛色も濃色と淡色の変化を幅広く表現されていて、山羊達の穏やかな佇まいがかんじられます。筆の様々なタッチを生かして周辺の様子を描かれています。落ち着いた色合いも、より自然に感じられる和やかな表現になっています。(講評:港井)
  • 2022/1/5 清水 千恵子 さん 「家族」 デッサンご親族をお描きになられました。とても温かな空気に包まれた、ご家族様のいらっしゃる一コマを、作者の心のこもった描写で表現されました。お二方の特徴もとても良くとらえられています。作者の眼差しを通して描かれた、かけがえのないお作品の1つになられたと思われます。(講評:港井)
  • 2022/1/5 冨田 多紀雄 さん 「干支No.4」 油彩近年毎年干支シリーズでご出品されていらっしゃいます。小さな画面内で、虎の険しい表情を細やかに描き、肩や腰の骨格も良く探って表現されています。なんとなくネコ科らしい足の雰囲気も愛らしく感じられます。新年を祝う素敵なお作品になっています。(講評:港井)
  • 2022/1/5 小口 紘平 さん 「水と花」 色鉛筆お花の加工画像を素材に描かれました。水盤に生けられたお花がとても繊細に美しく表現されています。色鉛筆の塗り方もとても精緻で細やかに描かれています。水の中に沈むお花から水の上に浮かんで見える表情まで美しく表現されており、とても小さな変化に気づきながら描く作者の眼差しも伝わってまいります。(講評:港井)
  • 2022/1/5 石川 貴子 さん 「ちょっと一休み」 デッサンクローズアップした視点の構図を選ばれており、四葉のクローバーとてんとう虫の微笑ましい状況がとても伝わってまいります。クローバーも葉脈ひとつひとつに細やかな描写が施されており、丸みを帯びたてんとう虫が登って陽に照らされた様子がとてもよく感じられます。幸せを呼ぶ素敵なお作品になられています。(講評:港井)
  • 2022/1/5 坂井 裕恵 さん 「Sharon」 デッサンご自宅で飼われているわんちゃんをお描きになられました。オシャレにカットされたヘアスタイルも艶々に描かれ、目鼻口の細部にも小さいながらも細やかな描写が施され、あどけない表情に描き出されています。愛らしく見つめる様子がとても愛おしく描かれている作品になられています。(講評:港井)
  • 2022/1/5 樫田 彩 さん 「美しく生きる」 デッサン凛とした背筋の伸びたご婦人のお姿を描かれました。人物の骨格や筋肉をとても詳しく探りながら描かれており、その描写の中に人物の生きてこられた尊い時間と作者の描きたかった美しさを丁寧に心を込めて表現されたということが、とても伝わってくる作品になられました。(講評:港井)
  • 2022/1/5 三分一 秀人 さん 「吉永 小百合」 水彩女優さんシリーズで数多くのお作品を描かれてきました。小さめの紙に描き込みの密度をあげたデッサンや水彩画を、昨年も何枚も拝見しましたがどれもクオリティーが高くどんどん上達されています。今作品もそうですが、画面の中で効果的でしたら強い色をさしたり、ある部分を大胆に省略してリアリティーを増したりと、写真を単に写すのではなく自らの考え方や見方で絵を描けています。今回も人物画として良く描けていますし、余白の白いエリアに想像力を掻き立てられます。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 大橋 智 さん 「Yarra Valley 2020」 油彩WF4という横長の珍しいサイズのキャンバスを効果的に扱った風景画になっています。ワインの産地に広がるブドウ畑をとてもよい雰囲気で仕上げています。地平線(視点の高さ)までの距離も心地よく抜けていますし、草木の緑色も透明色、不透明色を上手く使い分けてとても彩り豊かで爽やかな発色です。油彩の風景画はこれまでも数多く制作されましたが、今作品が一番完成度が高く見受けられます。壁に掛けるとそこに、ブドウ畑の見える窓が一つ増えたように感じる良い風景画だと思います。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 近藤 澄江 さん 「カンボジア タ・プローム」 ペン画カンボジアにある遺跡群の一部にスポットをあて、漫画家・水木しげる風にペン画で仕上げていきました。たった一種類のペンで描き上げたと思えないほどの表現豊かなお作品になっています。線のバリエーションも、明部には細くかすれるように、暗部には太くにじむようにと、強弱も的確ですし粒で入ったタッチもとてもきれいなトーンが出ています。樹皮も丁寧に描写されていて質感表現もバッチリです。中央に見える石仏の存在感もしっかりと出ています。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 長田 真理 さん 「DECOTORA」  アクリルデコレーショントラック(デコトラ)と寅年をかけたお作品になっています。言葉遊び(ダジャレ)から着想した作品をこれまでも数多く制作されてきましたが、今作品は特にクオリティーが高いように見受けられます。イメージ(性質)の異なったものどうしを意外性をもって組み合わせるコラージュの楽しさもあり、単純に色鮮やかに光るトラックとぬいぐるみのようなトラが可愛らしく仕上がっています。トラックが少し傾いているのも愛嬌があって良いアクセントになっています。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 芳賀 智子 さん 「アンティーククリスマスカード模写」 水彩クリスマスシーズン連続講座のお作品となっています。約100年前のクリスマスカードの模写になっていて、透明水彩絵具を先のやわらかい色鉛筆を使うようにハッチング、またはクロスハッチング技法でゆっくりと描き込んでいきました。下準備としてセピア調のグリザイユ(モノクロの単色画で立体感を出す)もほどこされ、元絵の年月のたった風合いが見事に再現できています。透明水彩にしては色調にメリハリもあり、とても見映えの良い仕上がりになっています。額も連続講座で制作された手作り品となっています。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 高橋 力 さん 「スマトラ・オランウータン」 パステルオランウータンのもつ特徴をしっかりと捉えられています。パステルらしい発色で毛並みのオレンジと肌の青味との対比がとてもきれいです。パステル(ソフトパステル)は先を尖らせて細密できるような絵具ではありませんが、今作品をよく見ていただくと毛並みの表現や、お顔(頬)の突起など、とても細やかな描き込みになっています。パステルでここまでの細密描写ができるまでにはかなりの枚数を描いてこないとたどり着かない領域だと思います。目元も力強く生気があってとても良い見え方になっています。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 丸山 徹 さん 「青い都電」  油彩昼下がりに都電が走る風景がとてもよいムードで仕上がっています。線路両脇の街並みも、幾何学模様的に処理をされていますが、トーンや配色がとても整理されていて見やすく魅力的な表現になっています。グレーの電柱の立ち方がそれぞれがわずかに傾きながら連続している所にリアリティーがあり、画面全体に心地よいリズムをかもし出しています。都電の車両も真正面という難しい見え方で捉えにくそうでしたが、ゴツッとした立体感が出ていて、存在感のある仕上がりになっています。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 香月 祥太郎 さん 「或る晴れた日 Can. Banffにて」 油彩カナダ旅行での一場面、作者に向かって手を振るご家族の姿がとても楽しげに描かれています。風景画の要素で重要な、樹木、空(雲)、山なども的確に捉えられていて、とても自然な描写になっています。遠くにそびえる山々にも空気遠近法が上手くきいていて、草木の緑も色数が多く、色彩豊かに発色しています。近景(一番手前の地面)の余白があることによって絵の中の時間がとてもゆったりと穏やかに流れているように感じます。次回作もとても楽しみです。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 成井 哲也 さん 「楓瑠璃鳥図」 油彩一見日本画の伝統的な様式で描かれたような油彩画で、目新しく感じます。画像では伝わりにくかもしれませんが、色彩がチラチラと輝くようにマチエール(画肌)にもこだわって仕上げています。エスキースを何度も繰り返した画面の構成(構図)も整理されていて、瑠璃色の鳥たちも楽しげに配置されています。楓、鳥、背景の色彩が彩度の高い極彩色になっていますが不思議とケンカすることなく調和がとれています。紙一重ではありますが、とても色彩感覚が良いです。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 佐伯 端恵 さん 「念願の涸沢カール」 水彩普段、登山を趣味とされていて実際に撮影された憧れの絶景写真を透明水彩絵具で見事に描き上げることができました。現地での感動をそのまま画面に定着させるように、粘り強く丁寧に描き込み、まるで錦絵のように美しく仕上がっています。紅葉した木々の暖色系を映えさせるように、グレーの岩肌のエリアが少し青味(補色)がかっていてとても効果的です。風景画でよく描かれる樹木の表現に苦労されましたが、捉え方がとても良くなりました。これからも水彩画を継続して描いていただければと思います。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 斎藤 一枝 さん 「for every woman」 油彩しっかりとした描写力で完成させた力作です。斜めからの強い日差しを暖色系を使い表現されています。質感の描き込みにも高いデッサン力を感じます。背景の風景も描写が強くなりすぎないように力を抜いて、前後のバランスを的確に描き分けています。(講評:朝森)
  • 2022/1/5 太田 有美 さん 「Lipstick」  デッサンとても完成度の高い作品です。普段使用している画用紙から細密描写に適した極細目の用紙に変更した第1作目になります。とてもきめ細やかなグラデーションでなめらかな肌の表現や、髪の毛一本一本の細部の描き込みと毛束の流れなど卓越したデッサン力を感じます。(講評:朝森)
  • 2022/1/5 山口 典子 さん 「不死鳥」 油彩 美空ひばりさんの躍動感あるステージの一瞬をとらえています。作者は筆さばきが巧みでリズムある筆さばきが動きのある場面の表現にとても効果的にいかされています。色彩の変化もとても繊細で大胆な表現と繊細な表現を組み合わせた作品です。 (講評:朝森)
  • 2022/1/5 稲吉 記子 さん 「Brazilという名のスカーフと静物画」 油彩的確なデッサン力と鮮やかな色彩でまとめられた作品です。描写の強弱を巧みに使い静物画を描く上で重要なテーブルの安定感や奥行き感を表現され、背景の空間表現も暖かい色味から寒色系への変化など色彩効果も考えられた作品です。(講評:朝森)
  • 2022/1/5 緑川 直美 さん 「フルーツデニッシュ」 色鉛筆難易度の高いテーマを持ち味の集中力で描き切るスタイルが持ち味ですが、今回のテーマもモチーフとシチュエーションの両面で高い画力が必要なテーマでした。お知り合いの方が作られたお料理が凝った設定で配置されているお写真から描きましたが、逆光気味の配置は写真では印象深いものの絵で描くととても苦労する設定でした。色調が暗く潰れることなく多彩な繊維で織り上げたような緻密で柔らかい雰囲気に仕上げられています。写実性の中から穏やかに個性が透過してくる印象的な御作品に仕上がりました。(講評:齊藤)
  • 2022/1/5 野島 芳美 さん 「エミール・ムニエル作:少女 模写」 油彩19世紀にパリのサロンで活躍したムニエルの得意とする少女像の模写作品です。子供の持つ無垢さやあどけなさの表現がポイントとなる作品です。今回の御作品は油彩で描く初めての人物画でしたが、描いては直し、描いては直し、その反復は本当に何度も繰り返された上でここまで辿り着きました。描き直す度に人物表現が一段向上していくのが見て取れ、最後は期限間近の集中力で一気に描きあげました。御自身が納得出来るまで描いたことで、あどけない瞳は永遠に輝き続けるかのように光を湛えています。(講評:齊藤)
  • 2022/1/5 坂田 雅彦 さん 「静かな時間」 油彩本当に粘り強く人物の表情と雰囲気を追い続けた御作品です。人物画において描き手が納得出来る雰囲気に達する事の難しさを実感する制作だったはずです。その答えは描き手である御自身が納得出来るまで描き続ける所にしかないこともあらためて感じました。今回のご出品で一つの区切りとなりましたが、今作かまたは今後か、この人物像の本当の完成がまだあるかもしれません。積み重ねられた丁寧なタッチ、漏れ指す陽光の輝き、見据えた視線の穏やかさ、描き手と御作品の間に流れる「静かで永遠な時間」を感じます。(講評:齊藤)
  • 2022/1/5 小林 奈津美 さん 「昼下がりの空」 水彩・ガッシュ透明水彩とガッシュの併用で色材の特質を活かした表現が成功した御作品となっています。御自身の思いの詰まった要素を個々に練習されてきた成果が一つの作品に集合してシュルレアリスム的な作品へと昇華しました。水彩の特質上、今回の御作品の場合は工程上緻密な段取りが必要です。そういった難しさをクリアして、描画の確かさも求められるテーマでしたが、各テーマにひたむきに取り組んできた成果が結実しています。どこか懐かしさの中にアンニュイな空気感が漂う忘れがたいイメージを作ることに成功しました。(講評:齊藤)
  • 2022/1/5 中野 典子 さん 「オランダ:ファーセン 運河のある風景」 油彩昨年に続いて風景画を出品されました。前作では登場しなかった建築物の表現がポイントとなる題材となりましたが誠実な取り組みで見事な完成度の御作品となりました。透明感と潤いを湛えた水面の表現、ペインティングナイフによる堅固な壁の表現など、各所にわたり見どころに溢れています。そういった細部の魅力に加えて画面全体にアンチームで柔らかい光が満ちあふれているのは、これまでの御作品にも共通した御自身特有の個性といえるでしょう。“誰もが訪れてみたくなるような場所”を今後も描いてみて下さい。(講評:齊藤)
  • 2022/1/5 奥田 希望 さん 「Somewhere」 色鉛筆デッサンから色鉛筆に移行して間もない段階で、初めて挑戦した風景作品です。最初は描きにくそうにされていましたが観察力と洞察力に大変鋭い感覚を持たれているので、徐々に御自身なりの解釈で描きすすめられるようになりました。前景から遠景までの広大な空間を緻密な描画で描き切り、高い完成度に達しています。また画面のどの部分を切り取っても絵になるかのように個々のパートの魅力にも溢れています。難しいテーマに真摯に対峙して高い絵画性に達した経験は今後の制作に大きく活きるでしょう。(講評:齊藤)
  • 2022/1/5 中谷 久美子 さん 「備中国分寺」 油彩一見すると旅や過去の体験の記憶から描かれたような御作品ですが、何気ない新聞の断片写真から描き起こされました。絵画の素材として映像的な情報が非常にわずかなものでしたが、それを『絵心』で増幅して補うことによってムード溢れる御作品にまで高めています。朝靄の中で行き交う人の会話が聞こえてきそうな雰囲気描写が大変見事なものとなっています。写真では完全に暗く潰れてしまっていた状況を違う時間帯の資料や想像力を駆使して絵画として不足のない情報量を盛り込めました。(講評:齊藤)
  • 2022/1/5 佐藤 隆 さん 「きんきの煮付け」 水彩毎年制作されている12ヶ月カレンダーですが、昨年も見事な完成度で仕上げることが出来ました。その中より一題、出品作として選ばれたのが今回の御作品です。季節感をイメージしながら毎日眺めるカレンダー用の絵画制作を続けられるのは並大抵の事ではありません。これまでは御自身で旅行された場所の風景がメインテーマでしたが、昨今の事情もあり新しいテーマを開拓されました。水彩は食べ物の表現には向いている色材といえますが、魚鱗やヒレ・煮汁・器という全く異なる質感をさらりと描き分けている筆力が見事です。(講評:齊藤)
  • 2022/1/5 守屋 成身 さん 「奥利根の春」 油彩御自身で踏破された山行の記憶を題材に連作を制作され続けていらっしゃいます。自然の中に潜む優しさや厳しさを実際の体験を元に画面に構築される個性溢れる御作品が毎回楽しみです。今年からマチェールに大きな変化が見られ、重厚なインパストが際立つ大胆な色面構成に、一線を突破された印象を感じました。雪と氷に閉ざされた滝の偉容は人間の侵入を阻むかのようですが、かすかな融雪に春の息吹を盛り込んでいらっしゃいます。どんな風景にも温かなお人柄が滲み出ている点が何よりの魅力です。(講評:齊藤)
  • 2022/1/5 篠田 栄 さん 「咲きほころぶ」 油彩ヒマワリの咲き誇る田園のイメージを大胆に抽象化した意欲作です。ご自身の記憶に刻まれた夏の日の風景の様々な要素が画面に溢れるように盛り込まれているのがわかります。様々な記憶・体験・視点、異なる時間帯の印象など多様な要素を画面上で再構築されて『ある夏の日の記憶』を強固なイメージとして表現することに成功しています。ヒマワリの葉越しに覗く太陽の光のまぶしさ、夏の叢の匂い、遠くに見える建物と人の気配など抽象化されていながらも見る人に具体的なイメージを強く喚起させる御作品となっています。(講評:齊藤)
  • 2022/1/5 中村 茂雄 さん 「バラの青春と白秋」 油彩 2種類のバラを幻想的な背景の中に配置した心象風景です。オーソドックスな風景から模写作品まで様々なテーマを描かれてこられましたが、今回の御作品は絵作りにおいて新しい境地を切り開かれたようです。どのようなテーマであっても柔らかい中間色と深みのある色彩の対比が魅力で、画面に漂う叙情性も印象深い個性ではないでしょうか。また主題となる2種のバラを異なる手法で写実的に粘り強く描き起こしたことによって神秘的なイメージにリアリティが生まれ、心に焼き付くような忘れがたい御作品となりました。(講評:齊藤)
  • 2022/1/5 堀口 春夫 さん 「ルイス・メレンデス作「鮭の切り身のある静物」模写」  油彩17世紀スペインの画家の厨房静物画(ボデゴン)の模写作品です。キャンバスや絵具は現代の画材店で普通に入手出来る素材を用いましたが、年代を経てきて存在しているような驚くほどの再現が出来ています。昨年はご出品が間に合わなかった御作品ですが、持ち味でいらっしゃる緻密で丁寧な観察力で描き切りました。この時代の作品特有の下層の効果を活かすために、熟考されながら慎重に筆を運ばれているのが印象的でした。作品の中から描き手の静かな息づかいが伝わってくる力作です。(講評:齊藤)
  • 2022/1/5 安藤 英洋 さん 「ハイ・ハロー!」 デッサン愛犬のデッサンになっています。飼い主にしか見せない、なんとも可愛らしい表情が鉛筆デッサンで見事に表現されています。制作期間は2年くらいでしょうか。とても丁寧にゆっくりと塗り重ねられた鉛筆のタッチはほとんど溶け込んでいて、トーンの幅も広くモノクロ写真のような見え方になっています。しかし写真機とは違い、そこに飼い主(作者)の思い入れや愛情が投影されたとても素晴らしい作品になっています。次回作は昨年から扱っている油絵作品になりそうですね。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 村田 善子 さん 「樹正滝」 パステル段瀑がもつ力強さや優雅さがとてもよく表現された仕上がりです。岩の暗がりの部分にも数多くの色を使い(赤系や青系)明るい水のエリアを際立たせています。絵を描くモチーフは、やわらかくなればなるほど描写に苦労するものです(人間の肌や髪の毛、お花など)。水はその中でも難易度が高く、形が定まらないほどのやわらかさです。今作品も制作途中、その水の流れ(動き)ているように描写するのに苦労されましたが、見事に捉えられていると思います。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 松本 春美 さん 「アジサイ」 色鉛筆とても色鉛筆画らしい発色で仕上がっています。描き出し、濃い目のピンクの単色で大まかな明暗をつけて立体感を出し、制作後半にいくにつれてお花や、葉のもつ固有色(青や緑など)を塗り重ねていきました。ホワイトで明るく描きおこすことのできない色鉛筆ですが、明部の表情が、紙本来のホワイトを活かしながらとても丁寧に描写できています。アジサイの花びらも、全体の大まかな丸味が失われないように上手く一つ一つしっかりと形を描き出すことができました。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 横尾 由美 さん 「早春の丹沢にて」 色鉛筆水彩画色鉛筆を水で溶かさずに仕上げたお作品になっています。一般的な色鉛筆とはやはり発色が違うように見受けられます。後退色の青系を何本も使い分け、富士山までの距離を心地よく表現されています。手前に佇む鹿も上手く風景に馴染むように描かれていて、野性味と生命力にあふれる描写になっています。コロナの影響などで制作時間に限りがありましたが、最小限の手数でスマートに仕上がった印象です。実際の風景現場での制作にも今後活かせそうな描き方になってきていると思います。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 寺内 沙織 さん 「果物籠のある静物/コルネリウス・デ・ヘーム 模写」 水彩17世紀の油彩画を透明水彩で模写した作品となっています。ホワイトが使えない、修正ができない透明水彩で約1年間、ゆっくりと丁寧に描写し見事に描き上げました。果物の明部の見え方が、本当に油絵具のホワイトをきかせたような輝きを放っています。立体の意識も強く、混色も的確で油絵具のような深い色味を再現できています。 透明水彩ならではのにじみ、ぼかしから始まり最後は色鉛筆をあつかうようなハッチング技法まで様々な描き方を習得できたと思います。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 福島 亜希子 さん 「RIENの桜姫」 パステル猫カフェRIENの桜姫ちゃんということですが、とても可愛らしく仕上がっています。ノルウェージャンフォレストキャットの、目がアーモンド形で鼻の尖った特徴のお顔立ちも上手く捉えられています。背景の桜の淡いピンクは形のおこしにくい色彩ですが桜の濃淡を丁寧に観察し、ハイライトを強めに入れるなど、工夫をしながら上手く描き上げることができまた。猫の毛並みも細かく描写できていて、ピンクから作り出したグレー味も周辺の色合いと溶け合っていてとてもきれいです。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 芳賀 俊郎 さん 「寅」 パステル年末恒例の年賀状講座で描いたトラのパステル画になります。粘り強く講座後も2コマほど加筆して仕上げていきました。色彩も落ち着いた調子で発色していてトラの色合いと背景の緑、太陽の赤がとてもよく調和しているように見受けられます。トラの表現も迫力が出過ぎず、親しみやすい仕上がりになっています。丸味があって大きな鼻や、力強く立ち上がった耳などトラの特徴がよく捉えられていて、毛並みも丁寧に自然描写ができています。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 亀水 理恵 さん 「カダケス」 パステルダリ、ピカソも魅了された町スペインのカダケスの風景画です。夜景という難しい題材でしたが見事に仕上がっています。パステルとは思えない色味の深さで、オレンジ色と青色の対比もとても美しいです。普段私たちは光源が上にあり、下の方が陰影になる見え方に慣れているものですが、夜景画は光源が下にきて、本来明るく見えるはずの屋根などが暗くなります。この感覚的に難しい夜景の明暗がよく捉えられていて、街並みの自然な奥行きや建物の立体感がとてもよく表現されています。
  • 2022/1/5 福島 和哉 さん 「人物習作」 鉛筆デッサン人物画の習得を目指したデッサンになっています。人物画は全ジャンルの中でも(静物画や風景画など)特に難しいテーマになります。美術史に登場する名画は圧倒的に人物画が多くなっていることからも人物画を習得するということがそれだけ大変な道であるとうかがい知ることができます。今作品も初めての人物デッサンでしたが、粘り強くとてもよく観察され描き上げることができました。制作途中、行き詰まったところから終盤にかけて、もう一段階良くなりましたね。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 加藤かづみ さん 「カミーユ・モネと子供:模写」 油彩クロード・モネの模写になります。印象派の色彩理論も理解されていて、とても色調豊かな出来映えになっています。モネのリズミカルに跳ねるようなタッチもしっかりと再現されていて、赤には緑、黄色には紫など反対色(補色)の対比もとても美しく見えています。母子の表情もやわらかく自然な描写ができていて、穏やかで幸せなムードに包まれた仕上がりになっています。この模写を経て、次回作がどうなっていくのかとても楽しみですね。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 宮岡 博信 さん 「薬師池」 水彩馴染みのある光景を上手くトリミングされて、安定した構図になり落ち着きをもって仕上がっています。静かな印象を受ける絵ですが、蓮の葉脈の白抜きが強めに入っていて、画面全体に心地よいリズムと活気がうまれ、よいアクセントになっています。葉の落ち着いた緑に呼応するようにピンクが静かに発色しています。この最後に入ったピンクの彩度加減が絶妙で感心いたしました。実際の風景を目の前にした、水彩画も楽しみになるような素晴らしいお作品になっています。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 野沢 由美 さん 「I LOVE ちょこ。」 アクリル有名チョコレートブランドのそれと一目でわかるお作品になっています。キャンバス全体を箱に見立てた、とてもユニークで目新しい表現になっています。一粒一粒のチョコレートたちも丁寧に描写されています。色が軽くなりがちなアクリル絵具ですが様々なメディウムを駆使してチョコレートの深い茶色味を再現することができました。これまでオリジナリティーあふれる作品を展開されてきましたがアイデア、クオリティーの高さは今までで一番かなと思います。オリジナルキャラクターチョコも隠れています。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 宮田 修介 さん 「恕」 鉛筆デッサン有名女優さんの肖像画になっています。一目で名前が出てくるほど、よく描き似せることができました。表面上の目鼻口などが似ているだけでなく、女優さんのもつ雰囲気までも上手く捉えられ、人物画で大切な性格、内面描写までたどり着いています。制作途中、目元の描き込みに大変苦労されていましたが、それとは裏腹に絵の中の人物の目元は穏やかでやわらかく仕上がっているところが素晴らしいです。人物デッサンは今作品で2枚目でしたが、今後、色彩を使っての人物画も楽しみです(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 塩入 正子 さん 「ワンプレートランチ」 油彩何気ない日常から題材を見つけ、実際に召し上がられたランチの作品になっています。実に美味しそうに描かれています。野菜のしゃきしゃきとした質感や、お肉の油にまみれた微妙な色調なども上手く表現されています。ややお皿の中が乱雑に見えてしまいそうでしたが、右上の白いパンがそれらをまとめるように引き締め、良いアクセントになっています。スクエア(正方形)キャンバスに大きな正円のお皿がど真ん中に入った珍しい構図で目新しいさを感じます。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 藤本 えつ子 さん 「早春のキャンパス」 油彩思い出のキャンパスが題材になっていてとても良いムードで仕上がっています。何気ない風景を上手く切り取り絵画作品にまでもってこれた好例だと思います。古の画家も写真で撮ってもやや物足りない何気ない日常の風景を題材に数多くの傑作を残しています。今回のお作品は一見すると画面全体から静かな印象を受けますが、暗がりの近景と強い日差しの入った画面奥とのコントラストがきいていて、どこかドラマチックな印象も同時に受ける見飽きないお作品となっています。(講評:宮脇)
  • 2022/1/5 武丸 玲子さん 「風景」 鉛筆デッサン風景写真集からの模写です。写真と絵とでは主題の語り方が異なるので、描き写すことに注力してしまうと、絵画作品としては散漫になりがちです。その点、本作は慎重な操作がなされ、ご自身の体験として描かれるものに近づけられています。空模様を変えて描きましたが、きちんと成立しているだけでなく、風の音が聞こえてきます。建物同士や、建物と空との関係を適切に描けている結果と思います。武丸さんは、精緻な描写も魅力的ですが、風景画においては、より大胆な表現(濃淡の幅や描線の自由度等)に踏み込めているように感じます。暖かくなったら、またぜひ写生会に出かけましょう。(講評:竹内)
  • 2022/1/5 渋谷 育美 さん 「リンゴとレモン」 油彩意図のある構図をご自身で設定し、布やテーブル下の背景などの表現にもこだわっておられました。結果、画面の隅まで奥行と張りが感じられ、初めての油絵にもかかわらず、熟練の会員さんの作品と並んでも絵が負けていません。渋谷さんは通い始められた当初からアイデアを積極的に出され、自ら作品を作る姿勢が印象的です。ご自身にとってはまだ漠然とした感覚ではあるでしょうが、それを大切に、作品数を重ねていけば、目指す主題もよりはっきり見えるでしょうし、具現化する技術も着実に伴ってくるはずです。「上手く描くこと」が「目的」にならないようにだけ、どうぞ心がけてください。(講評:竹内)
  • 2022/1/5 山本 由梨 さん 「朝を迎えに」 水彩風景、人物、動物など様々な要素を含むこの作品の中で、放し飼いのニワトリの世話をしている主役の少女が特に良い。幼い手の描写や衣服の描写もすごく上手い。様々な動きをするニワトリのフォルムや羽根の質感も的確に表現している。いずれも優れたデッサン力が発揮されている。草原の描写も凝っている。マスキングインクを用いた効果に、明るい黄緑色から深緑色まで何段階もの調子を塗り重ねて赤・青・紫などの色味を加えている。モチーフすべての色調が美しく響き合っているところもこの作品の魅力である。例えば、少女の髪色に加えられた緑色や赤色は、草やニワトリのとさかと調和し、しっくりまとまっている。筆のタッチや明暗のコントラストで見事に空間を表現しているところも素晴らしい。作者は白黒写真を元に透明水彩で制作している。独自の優れた色彩感覚でオリジナルの世界を創造する才能にはいつも感服する。(講評:結城)
  • 2022/1/5 山崎 美和子 さん 「読書の秋」 水彩晩秋の公園のワンシーンを鮮やかに透明水彩で表現した美しい作品である。画面に大きく入れたベンチに対してシジュウカラや開かれた本のページに散るひとひらのモミジがバランスよく配されていて均整のとれた構図である。丁寧な描写で細密に描き込まれたシジュウカラがとても魅力的である。色とりどりの落葉がモザイクの絨毯のように地面に敷き詰められている様の細やかな描写も素晴らしい。奥の地面のイチョウやモミジは明るい色調でやや省略して描き、ベンチの下など手前の落葉は暗めの色調で明確に描き込んでいる。この明暗の調子やメリハリの強弱で空間を巧みに表現している。仕上げのスパッタリングも効果的である。特に注目したいのは、ベンチの手すりの色やシジュウカラの頭部の黒っぽい固有色を単に絵具の黒で描くのではなく、赤・青・緑・紫など様々な色を混色して表現したことである。まわりの落葉の色と響き合い画面全体が美しく調和している。(講評:結城)
  • 2022/1/5 宮島 ゆかり さん 「調和」 アクリル緑色の猫、青いガラスビン、銀の杯、オーム貝など色とりどりの洒落たモチーフが美しい青緑色の空間に配されている。「調和」と題され、文字どうり画面いっぱいに絶妙なバランスで見事な小宇宙が構築されている。質感表現も優れている。特にガラスや金属に映り込む色味やキャッチライトの繊細な表現が素晴らしい。そして猫が良い。顔のあるモチーフは難しいといわれている。作品の良し悪しを左右するからだ。この猫はすごく魅力的な顔をしており、フォルムもしっかり描かれているので大成功である。とにかく色がとても美しい作品である。何層にも絵具を重色して到達した深い色調、特に基調色の緑色の中にちりばめられた鮮やかな赤の効果は秀逸である。(講評:結城)
  • 2022/1/5 平石 裕子 さん 「風景」 水彩尖塔のある建物の赤い屋根と白壁が遠景の森をバックに美しく際立つ。近景を黄緑色や水色など明るい色彩で表現したことにより、暗緑色の遠景の森とのコントラストで、スケールの大きい空間が表現されている。木の描写がよい。広葉樹や針葉樹の違いが筆使いで巧みに描き分けられている。薄い黄色の下塗りからスタートして深緑色まで明暗の調子の幅を上手に表現している点や強調する木と省略する木でメリハリをつけている点がよい。木々の緑に加えたかすかな赤味の色彩が屋根の赤と響き合い画面全体がしっくりと調和している。(講評:結城)
  • 2022/1/5 瀧川 ふじえ さん 「みつ稀 おっとっと」 油彩草木が茂る公園の石段を幼い少女が一生懸命上っている。その後ろ姿が何とも愛らしく、子供の成長の貴重なワンシーンを風景とともに美しく描写した素晴らしい作品である。慣れない段差で真剣にバランスをとる少女を巧みに表現したデッサン力は秀逸。多様な色彩やマチエールを駆使した草木や石段の描写は本当に素晴らしい。すっと抜けた夕暮れの空とも相まって空間表現も見事です。草木の中にかすかに見られる赤味が夕焼の色と響き合っている。油彩ならではの重色の工夫が一際功を奏している。(講評:結城)
  • 2022/1/5 梅崎 明子 さん 「初春」 日本画お正月に飾れる絵ということで松竹梅の素晴らしい作品ができました。いつもセンスの良さを感じられます。金箔.青金箔をふんだんに使い豪華な雰囲気が出ていますね。3枚の絵のバランスがよく考えられており、1つの作品となっております。中央の梅の絵にある水色が成功しています。小さい作品ながら箔、砂子、垂らし込みなど日本画伝統技法が使われており、見ごたえがある力作となりました。(講評:浅野)
  • 2022/1/5 松尾 嘉子 さん 「雪中虎図」 日本画寅年に合わせ親子のトラを描き、松尾さんらしさが良く出た優しく温かい絵になりましたね。今回は構図が難しく、雪の掛かった竹の表現が説明的になりそうでしたが良くまとまったと思います。個々を表現する描写力は凄く身に付いてきました。今後もより一層下図の段階で構図や絵全体のイメージ作りに時間をかけてください。レベルの高い絵を描ける実力があるので今後も期待しております。(講評:浅野)
  • 2022/1/5 木村 正巳 さん 「運河沿いの街」 油彩ヨーロッパの河沿いの街並みの様子を、情緒豊かに描かれています。しっかりと絵の具がつき、筆のタッチを活かし水面を表現するなど油絵らしい作品になりました。色彩は、限られた色調のなかにも中間色を基調とし、柔らかさや温かさが感じられるものになっています。(講評:工藤)
  • 2022/1/5 松村 陽子 さん 「お台場の海」 油彩身近な風景を描かれています。毎回の授業で余った絵の具をキャンバスにのせて置くことで、色彩豊かな下地のキャンバスができました。その地を活かし、色味がうっすらと透けて見える効果を用いて深みのある作品に仕上がっています。ペンティングナイフの跡をあえてそのまま残す箇所と描く部分の差をつけるなど、緩急を意識されて表現されているところが見事です。(講評:工藤)
  • 2022/1/5 新井 俊明 さん 「劇場の前の道」 油彩御自分で撮影された写真を見ながらデッサンし、その後で油彩に入りました。一点透視図法の構図を用いたことで奥行きのある絵になっています。筆運びも伸び伸び描かれており、生き生きとした作品になりました。数色の限られた色彩を使いながらも微妙な色調の変化を醸し出し、新井さんらしい作風に仕上がりました。(講評:工藤)
  • 2022/1/5 立石 絵美子 さん 「ひとときの夢」 油彩以前、スクールで開催した人体クロッキー会の素描を元に、油絵に起こしました。エスキースを幾つかする中で色調を決めて、イメージを掴んでからキャンバスへ移しました。青を基調とし、どこか哀しげな、そして浸透していくような深みのある作品になっています。(講評:工藤)
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