第2回 上絵具(洋絵具)とは 2002/ 9/ 12/ Thu. 戻る
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チャイナペイントで使用する絵具とはどんなものなのでしょうか。

普段メーカー製のあらかじめ調整されたものを漠然と使うことが多いので成分についてはわからないままにしてしまいがちですが、物作りに関わるとき、材料について理解することはとても大切な事です。


一般に上絵具と呼ばれるものは、600℃〜800℃で溶ける低火度釉に顔料(着色剤)を混ぜたものと考えれば良いでしょう。

低火度用の基礎釉とはおおよそ以下の成分を調整したものとなります。
 
白玉
鉛分と珪酸分を混ぜて溶かし、ガラス粉末にしたもの。鉛ガラス。
鉛白=唐土
99%が炭酸鉛で、着色剤の発色を調整します。
800℃くらいで単独で溶けます。溶ける温度を下げる役目が有ります。
珪石
絵具の溶解時の流動性を抑え、貫入(ひび割れ)を防ぎます。石英を主成分とする岩石です。溶ける温度を上げます。


上絵具にはいくつか種類が有りますが、代表的なものを2つあげます。
 
洋絵具
粉末の顔料に低火度釉を少量混ぜたもの。色数が豊富で、玉ぐすりのように厚く盛り上げなくても発色します。

焼く前と後で色の変化が少ないのでイメージをつかみやすいという利点が有ります。チャイナペイントはもちろん、和の陶磁器に使用する作家も多いようです。焼成温度は750℃〜820℃です。 

洋絵具の成分は、だいたい以下のようになります。

基礎釉[白玉+鉛白(唐土)+珪石]+着色剤(顔料)
      15 :  1,5   : 

※着色剤の分量は顔料によって着色力が異なるので、それに合わせて調製します。



玉ぐすり
ガラスに色が付いたもの。焼くと発色しますが、着色力が弱く、ある程度盛り上げないと発色不良となります。

伝統的な素材で、主に和の世界の陶磁器に用いられます。色数は、黄、緑、青、紫があり他の色は混色して作ります。焼成温度は700℃〜830℃です。
 
玉ぐすりの成分を簡単に記すと、以下のようになります。

基礎釉[白玉+鉛白(唐土)+珪石]+着色剤
        :       : 

※着色剤に使う顔料は800℃の加熱に耐えうる物でなければなりません。

※顔料についてはまた別の機会にお話します。



 
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