先生からのコメント･･･
ドレスデンには無数の窯元が存在しますが、中でも「ＳＰドレスデン」と「ラム工房」は、絵付けの質においてマイセンと共に並び称されています。自由闊達な金彩や自在なアクセントラインと透層の組み合わせで、かわいらしさと華やかさに際立った特長があります。

今作は、ドレスデン様式の小花図案をアレンジして２段のエタージェラに描き込みました。小花の描画はコントラストを効かせ、色彩の濁りを抑えるためパレット上での混色や重色は控えめにした結果、明度・色彩の対比がリズミカルに出ています。加えてレリーフペーストを用いて金彩の効果を一段と高めることが出来ました。絵具による描画と金彩の作業量が同程度で、根気が必要でしたが作品の完成イメージを最初からしっかり持つことで迷いのない筆運びを実現しました。